札所六番の紙本着色荻野堂縁起絵巻 1巻

札所六番の紙本着色荻野堂縁起絵巻3

荻野堂の草創から札所として繁栄を迎えるまでの経緯をー巻の絵巻物にまとめたもので、その内容は、行基菩薩が武甲山に住む山姥を退散させ、万民安堵のため滝に祈ると聖観音の尊像が現れ、その姿を彫り蔵王権現社に聖観音像を安置した。後にその霊験により卜が池に住む大蛇を退散させ、その地に荻野堂を建立して、聖観音を本尊として移した。その後秩父の札所の一つとなる。悪魔変じて浄土となった、という縁起絵巻で、武甲山信仰と札所の関わりを示す興味深い資料でもある。

詞書とその内容の図絵を交互に繰り返し、巻末には札所六番の御詠歌を記し、「天明元年(1781)辛丑初冬 平塚平為善書 瀬名源貞如畫」の款記がされている。両名の経歴等は不明である。

全長は約11.8m、紙幅約0.28mある。伝統的な絵巻物の体裁により、秩父のー霊場の縁起を説き起こした近世寺社縁起絵巻の貴重な遺例である